キャッシュフローってなに? 〜お金の流れの全体像をつかむ〜

キャッシュフローとは「お金の流れ」のことを言います。
キャッシュフローイメージ

また、お金に目的別に色をつけ、入りと出のバランスを考える経営の仕方をキャッシュフロー経営と呼んでいます。

本誌では、経営者がキャッシュフローの構造を直感的にイメージできるよう分かりやすい図表を用いて、直面する様々なお金の問題の解決の糸口や判断基準を探っていきます。



ケーススタディ:ある歯科医院の年間収支構造

規模

ドクター1人 スタッフ3人(DH 2、DA兼受付1) チェアー3台

収入

1日平均患者数

:20人

患者平均単価

:6,000円(保険のみ)

1ヶ月の稼働日

:20日

自費・物販収入

:10万円/月

支出

人件費

:スタッフ20万円×3人

 院長報酬730万円(年)

テナント家賃

:25万円/月

水道光熱費

:10万円/月

リース料

:10万円/月  など




※上記のお金の流れの全体図の番号に照らし合わせてご覧ください。。

1.

まず売上高を確認します。売上は、保険収入、自費収入、物販などを含みます。

2.

変動費は、材料費、外注技工料、商品原価などを言います。変動費は売上高の増減に比例して増減します。

3.

売上高から変動費を差し引いた分が粗利となります。また、売上高に対する粗利の割合のことを粗利率と言います。

4.

固定費とは、売上高の増減に関わらず変わらない費用のことを言います。家賃、リース代、水道高熱費、保険料、人件費などを含みます。固定費の中でも人件費の割合は半分以上を占めるので、「人件費」と「その他の固定費」の2つに分けて考えます。

5.

人件費には、スタッフの給料や賞与のほか、院長報酬も含めます。また、粗利のうち、労働に対してどれだけ分配しているかを示す指標を労働分配率(人件費÷粗利×100)と言います。労働分配率が低ければ低いほど、生産性が高い(少ない人件費で多くの粗利を生み出している)収支構造となります。

6.

その他の固定費は、人件費以外の固定費をすべて含みます。

7.

粗利から固定費を引いたものを、利益と言います。

8.

利益のうち、1〜4割程度を税金として納めます。(ただし、個人事業の場合、人件費に含めた院長報酬と利益をあわせた「所得」に対して、所得税がかかります。)

9.

利益から税金を引いた残りが税引後利益です。

10.

その他の固定費に組み込まれていた減価償却費は、お金の支出を伴わない費用なので繰り戻します。

11.

税引後利益と減価償却費の繰り戻し分を合わせたものが、本業で得られるキャッシュフローです。借金がある場合、ここから返済をし、さらに残ったものが繰り越しできる資金となります。

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